【ある探偵の憂鬱】 (レビュー)

◆探偵というのは、何か異変が起こった時にはじめて存在が成り立つ職業である。この作品の探偵は、調査を依頼されて老婦人の生活を監視することになる。しかし彼女の日常は淡々と過ぎるばかりで何も起こらない。探偵は自己の存在意義を問いはじめ、幻を見るようになってしまう。本作は何も起こらないことで成り立つ物語なのである。
という設定は高尚なのだが、なんとも中途半端な印象が残る作品であった。探偵物だけに江戸川乱歩作品的なトリックが用意されているのだが、このトリックが大仰すぎて「えー、そんなあ」という感じ。とってつけたような濡れ場も、登場する女性も安っぽいし。観ている方も憂鬱になってしまうことを覚悟した上で劇場に足を運んでください。(mizumi)


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