【アンヴィル!】 (レビュー)
【こだわりの品(しな)】
サブタイトルにあるように、まさに夢を諦めきれなかった男たちのドキュメンタリーである。アンヴィルはカナダのヘヴィメタル・バンド。デビュー当時は一世を風靡したこともあるらしい。ベースやギターはメンバーが代わっているのだが、昔からの親友であるヴォーカルのリップスとドラムのロブ・ライナー(映画監督ではない)は50歳代に突入している。しかし、音楽だけでは生活できない。普段はアルバイトをしているのである。その彼らが未だに成功しないことに苦悩し、家族にも迷惑をかけ、はたまたメンバー同士でいがみ合ってる様子をあからさまに映し出す。
でも、こういうあからさま度合いっていうのは実際、どこまで本当なんだろう?演出もしてるんじゃないだろうか?と疑念を持ってしまう。喧嘩してるときにカメラマンに「うるさい!」とか「撮るな!」とか言わなかったのだろうか?そういうものがあるとリアリティは増すと思われるのだが…。
いつまでも夢を追う気持ちは痛いほどわかる。身につまされる。結局は成功というものをお金や名声に求めるから、そうなってしまうのではないだろうか?そんなもののためにヘヴィメタをやり始めたのかどうか?そんなことを言うシーンもあるのだから、また、そういうことを突き詰めていけば彼らの生き方も変ってくるだろう。
けれど、映画を見ている限り、彼らは今だけでも幸せだと思う。そんなところまで行き着かない人々が世界中にどれだけいることか…。そんなことも考えさせられる作品である。(越智)
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