【未来の食卓】 (レビュー)

◆僕はそんなに、ここで描かれるオーガニックに関して知識はない。農薬とか食品添加物などが体に悪いことはわかってる。もっと若い頃のほうがそういうことに敏感だったかもしれない。ただ、もう年齢を重ねてくると、ここまで生きてきて、ほぼ健康を害してないのなら(せいぜい肩こりか虫歯くらいのものなのである)、自分の体の丈夫さにかなり過信している。そもそも、貧乏暮らしだから、オーガニック食品よりはただ単に安価なものを求めるし、そういったものは豆腐や野菜が多く(もちろん、冷凍食品や缶詰もあるが)、肉類などは自分から求めて食することもないので、病気にならないのかも?と思っている。
そういう問題意識の薄い自分がこういう映画を観ると、かなりショッキングである。作品はユネスコでの会議「ガンと環境汚染」についてのシンポジウムの模様と、オーガニックを給食に取り入れた学校の模様、それに農薬を散布している農家、などが平行して描かれる。ちなみに、学校のあるバルジャック村は僕らも歴史の教科書でお目にかかったことのある、ローマ帝国時代のポン・デュ・ガールの水道橋があるところ。この橋をバックに川岸で昼食(たぶん遠足)を食べている風景を、いいなあ〜!と感嘆して観ていた。
資料にある監督のインタビューでは、自らがガンに侵されたのを契機にこの問題に取り組み、それを人々に知らせようと思って映画を作ったとある。そして、劇中、農薬や添加物などがどれくらい使われているかをテロップで流す時はオドロオドロしいBGMを使うのである。個人的にはあざとい演出は好きではない。ただ、こうして文字にするほど、あざといものでもない、許容範囲内ではないか?とも思える。それに告発映画が嫌いなわけではない。ここで知らされる真実を観ると「じゃあ、日本はどうなの?」と思ってしまうものである。(越智)




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