【東のエデン 劇場版 I・II】 (レビュー)

◆テレビアニメ『攻殻機動隊 S.A.C.』や『精霊の守り人』の神山健治監督による初の完全オリジナル作品として今年4月からテレビ放送された『東のエデン』。キャラクターデザインを『ハチミツとクローバー』の羽海野チカが手がけたことも話題になっていた。
企画当初より、テレビシリーズ放送終了後に劇場版があり、劇場版にて完結することは発表されていた。なので、この劇場版はテレビシリーズの続き。シリーズの総集編などの併映もないので、完全に一見さんお断りな作品となっている。しかも二部構成で、今回はその第一部のみ。完結編となる第二部『Paradise Lost』は来年1月の公開を予定している。
完結していない物語の前半だけしか観ていないので、特に書くことはない。テレビシリーズの続きである以上、全11話とはいえ、観ていることが前提だし、その11話を楽しめた人しかこの劇場版は観ないのだろうから、そういった人たちには充分に楽しめる前半になっていたと思う。
冒頭にも書いたように、この作品はテレビシリーズから劇場版までで完結することが当初から決まっていたが、どうやらその内容に関してはいろいろとあった様子。企画段階では、テレビシリーズの最終話で描かれる「60発のミサイル攻撃」が本当の結末で、劇場版で描かれるはずのエピソードだったらしい。けれど、放送局側から「テレビで一度完結させて欲しい」との要請があり、シナリオの大幅改定が行われているとのこと。そのため、設定上に多くの謎を残したまま「60発のミサイル攻撃」にてテレビシリーズは完結し、劇場版用に新たな物語を書き足している。その意味では、劇場版が完結編というよりも続編に近くなっている。実際、劇場版の物語はテレビシリーズの半年後を舞台としており、咲が滝沢と再会するまでやその後の展開も、テレビシリーズと呼応するように意図的に構成されている。
ある種の心地よい予定調和の中で、新たに展開していく物語。そして急展開を迎えたところで、当然のように「さあ、ここからです」と第二部へ続いていく。けれど個人的には、いまいちラストの盛り上がりに欠けたように思う。もう少し、ハッタリでもいいから、「ちょっとまて、そこで終わるか!」という高揚感が欲しかったと思う。(栗栖)


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