【冷たい雨に撃て、約束の銃弾を】 (レビュー)
◆ジョニー・トー監督最新作。しかも『ザ・ミッション/非情の掟』、『エグザイル/絆』に続く「ノワール・アクション3部作・完結編」。もうこれだけで観る前から「面白いに決まっている」作品です。
尚、監督インタビューによると、本作品でハードボイルド・アクション路線はいったん終了し、今後数本は劇中に登場する銃の数が少なくなるだろう、とのこと。まあ多作な監督ですから、どうなるか分かりませんが。
本作品はフランスと香港の合作となっていますが、製作の主導はフランスでメインプロデューサーも主演もフランス人。企画当初は主演にアラン・ドロンが予定されてたらしい。
原題は「Vengeance 復仇」、そのまま「復讐」という意味で、娘家族を殺された主人公コステロの復讐劇を入り口に物語が展開してゆく。『エグザイル/絆』のときには脚本がなく、全て即興で撮影して物語を繋げてゆくというスタイルで製作されていましたが、今回は事前にきちんと脚本があったようです。監督によると、フランス側プロデューサーとの間で「本作品がハードボイルド・アクションである」との事前確認が必要だったことが理由らしいので、実際の撮影がどこまで脚本通りに行われたのかはよく分かりません。
作品自体は「ノワール・アクション3部作」と謳っているだけあって、全2作を好きであれば間違いなし!な作品になっています。キャッキャとじゃれあう男たちと、映画的格好良さという様式だけを追求したようなガンアクションで構成された、ロマンティシズムにあふれた作品。サッカーや男の手料理を囲む食卓シーンなど毎作に共通する「お約束」も健在で楽しい。尚「3部作」とされていますが、物語的には全く別の作品なので全2作を観ていなくても大丈夫です。けれども未見の場合は、できるならば事前に全2作を観てから本作品を見ると、いっそう楽しむことができるのではないかと思います。
何はともあれ、こうしてジョニー・トーの新作がきちんと劇場公開されることは大変喜ばしいことです。ジョニー・トーの新作を観に行くという行為そのものが一種の「お祭り」ですから、次回作の公開を楽しみしつつ、すぐには覚えられない日本語タイトルの本作『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』を全身で堪能しましょう。(栗栖)
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