【湖のほとりで】

北イタリア、のどかな小さな村のはずれにある湖のほとりで発見された美しい少女・アンナの死体。争った形跡がないことから、顔見知りの犯行であると推測された。この村に越してきたばかりの刑事サンツィオは、いつも明るく元気だったアンナの様子が、ベビーシッターをしていたアンジェロが不慮の事故で亡くなってから変わったという情報を耳にする。 アンナは誰に、なぜ殺されたのか―?捜査を進めていく中で、住民たちの人間関係や家族のあり方が明らかになっていく―。障害を持つ子供に素直な愛情表現ができない親。子供のことは全て理解しているという偏った愛。間違った両親の元に生まれてきたと感じる思春期の子供…。サンツィオもまた、若年性認知症に冒され、家族のことを忘れていく妻の姿を、娘に見せられないという人知れない問題を抱えていた。一見何事もないかのように過ぎ行く日々の中で、サンツィオを含めた誰もが皆、"一番身近な人にも言えない悩み"を抱えて生きていた―。そして、ついに犯人にたどり着いたとき語られる、アンナが貫き通した"深い愛と強い信念"は、皆の心の痛みを緩やかに溶かしていく―。

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