【扉をたたく人】
愛する妻に先立たれて以来、すべてに心を閉ざして生きてきた大学教授のウォルター。仕事への情熱を失い、同僚や生徒とも関わりを持とうとしない。久しぶりにニューヨークにある別宅の扉を開けると、そこには見知らぬ若い移民のカップル、タレクとゼイナブが暮らしていた。それがウォルターと、シリア出身のジャンベ奏者、タレクとの出会いだった。ウォルターとタレクの友情はジャンベを通じて深まっていくが、その矢先、ウォルターの目の前でタレクは不法滞在を理由に拘束されてしまう。以来、ウォルターは毎日タレクに会うため、入管の拘置所を訪れる。一方、ミシガンに住むタレクの母モーナも、連絡のつかない息子を案じ、ウォルターのアパートの扉をたたく。年齢も職業も文化も異なる、今までに接点のなかった人々。彼らとの出会いによって、いつしかウォルターは、新しい人生の一歩を踏み出す。
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